永住ビザ申請においては、様々な条件があります。その中で気をつけたいのが、「素行条件」と呼ばれるものです。素行条件とは、法律を守り日常生活において社会的非難を受けることのない住民生活を営んでいることを求める条件を指します。

具体的な条件は、以下のとおりです。

窃盗や強盗などの犯罪行為は当然として、飲酒運転や信号無視、スピード違反などの交通違反に関しても、確認の対象になります。比較的軽い違反であれば5年間で数回程度は問題ありませんが、やはり交通ルールはきちんと守ることが重要です。

もちろん、犯罪行為をして有罪判決が出ている場合、永住ビザ申請は不可となってしまいます。

これまで課されている税金を全て支払っていることが条件です。まだ納めていない分があれば、申請前に納めることでクリアできます。

年金に関しては、未納分がないだけでなくしっかりと納期限を守って支払っていることが永住権取得の条件です。勤務先で年金に加入していれば大きな問題にはなりにくいのですが、国民年金の場合はうっかり納期限を過ぎてしまわないように注意しなくてはなりません。

年金納付は近年になって非常に重要なポイントになっています。中には自分で納めなくてはならないと知らない方もいるため注意しなければなりません。「年金を支払っていないからまとめて支払ったが遅かった」というケースも散見されます。

健康保険に関しても、期限内にしっかりと納めることが求められます。やはり勤務先で保険に加入している場合は問題ないのですが、市区町村の国民健康保険の場合は納期限に注意しなければなりません。

年金も同様ですが、「健康保険料を自分で支払わなくてはいけない」と気づかないまま支払わずにいる方も少なくありません。納付期限を守れなかっただけで永住権取得が不可となる可能性もあるため、忘れずに保険料を払って領収書を保管しておきましょう。

永住ビザ取得における重要な要素には、「生計条件」もあります。明確な基準が示されているわけではありませんが、おおむね年収300万円が1つの目安だとされています。ビザの種類別のポイントは、以下のとおりです。

就労ビザとは、就労を目的としている方のためのビザです。

基本の目安は、年収300万円です。しかし年収300万円を越えていても、扶養家族が多い場合や転職したばかりのケースでは不可となる可能性が高まります。その他の条件によっても生計条件のハードルは変わるため、注意が必要です。

家族滞在ビザとは、就労を目的に日本に滞在している方の扶養者のためのビザです。

家族滞在ビザは、年収として含まれるケースと含まれないケースの両方があります。原則として家族滞在ビザは「就労ができないビザ」と考えられているため、家族のアルバイト分は含めずに就労ビザの方の年収だけで考えるのが無難です。

例えば、就労ビザの方が年収250万円、その配偶者が家族滞在ビザで年収50万円である場合、家族滞在ビザの配偶者分が考慮されればボーダーに乗りますが、基本的には就労ビザの方の年収250万円だけで判断されると考えるべきです。

夫婦ともに就労ビザを取っていて共働きの場合、世帯単位で年収を判断してもらえる可能性が高いと考えられます。双方が就労ビザであり、夫婦で安定した収入が見込めると判断されるためです。

ただし、片方の年収があまりにも低い場合には世帯収入では見てもらえない可能性もあります。

配偶者ビザとは、日本人と一緒に住むために必要なビザです。配偶者ビザには、以下のような種類があります。

・日本人の配偶者

・永住者の配偶者

・定住者の配偶者

このうち、日本人と永住者の配偶者に関しては、生計条件が緩和されるとされています。