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永住者の配偶者と離婚した外国人の在留資格の取扱い

日本人の実子である外国人の在留資格

【事例】

日本人男性が外国人女性との間の非嫡出子を、その出生後認知した場合、その子の在留資格はどうなるか。

【対応ポイント】

我が国の国籍法は、子の出生による国籍の取得について、血統主義を採用するので、日本人の実子である以上「日本人」であり、その在留資格は本来問題にならないようにも思える。

しかし、日本人の実子であっても、日本国籍を有していない場合があり、その場合、この在留資格が問題となります。なぜなら、出生を理由に「日本人」となる場合の「父又は母」は、「事実上の父又は母」ではなく、「法律上の父又は母」を意味するとされているからです。この点、非嫡出父子関係の成立について、日本民法は、父による認知を必要としているので、非嫡出子の父が「法律上の父」となるためには、その父による認知が必要となります。

なお、父が日本人である場合、その非嫡出子が、出生と同時に日本国籍を取得するためには、父の認知により、子の出生時に父子間に法律上の親子関係が成立していなければなりません。この点、本例のように、子が出生後日本人父によって認知された場合は、子の出生時に父子間に法律上の親子関係が成立していないので、子は出生と同時に日本国籍を取得することはできません。これは、民法上、認知は子の出生時に遡ってその効力が生ずるとされるものの、国籍の安定性の要請から、国籍法第2条第1号の解釈においては認知の遡及効が否定されているからです。

子が出生のように、子が出生後日本人父によって認知された場合には、その出生時に日本国籍を取得することはできません。しかし、本人又はその法定代理人が法務局又は日本の大使館・領事館に、国籍取得届を提出することによって、日本国籍を取得することができます。

この点、平成201212日、認知がされていることのみで日本国籍を届出により取得することができるように国籍法が改正され、平成2111日から施行されています。

外国人が「日本人の実子」である場合、日本人の子として出生したかどうかにより、在留資格が異なります。すなわち、その出生時、父または母が日本国籍を有していれば、日本人の子として出生したので、「日本人の配偶者等」に該当し、その出生後、父又は母が日本国籍を取得した場合は、日本人の子として出生していないので、「定住者」に該当します。

 

申請人:「日本人の配偶者等」に係る[在留資格取得許可申請](国内で出生した場合)

日本国で出生した日本人の実子である外国人本人の法定代理人「日本人の配偶者等」に係る[在留資格認定証明書交付申請](国外で出生した場合)

日本国外で日本人の子として出生した日本人の実子である外国人本人(ただし、申請時本人が日本国に在留している場合)

日本国内に居住する外国人本人の親族

「定住者」に係る[在留資格変更許可申請]

日本国に在留する外国人本人又は法定代理人

申請先[在留資格取得許可申請]

申請人の住居地を管轄する地方入国管理局

[在留資格認定証明書交付申請]

申請人の住居地を管轄する地方入国管理局

[在留資格変更許可申請]

申請人の住居地を管轄する地方入国管理局

届出書類[在留資格取得許可申請]

在留資格取得許可申請書

[在留資格認定証明書交付申請]

在留資格認定証明書交付申請書申請人等作成用1、申請人等作成用2T、申請人等作成用3T(「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者」・「定住者」)

[在留資格変更許可申請]

在留資格変更許可申請書

添付書類[在留資格取得許可申請、在留資格認定証明書交付申請共通]

1 当該日本人との親子関係を証する文書

①当該日本人の戸籍謄本又は除籍謄本

②外国人本人の出生証明書

③両親の婚姻に係る証明書、認知に係る証明書、養子縁組に係る証明書

2 外国人本人又は父若しくは母の職業及び収入に関する証明書

①在職証明書等職業を証明するもの

②地方住民税の納税証明書(直近のもの)

3 本邦に居住する当該日本人又はその他本邦に居住する身元保証人の身分証明書

4 その他参考となるべき資料

5 顔写真(3か月以内に撮影)

【在留資格変更許可申請(「定住者」への変更の場合)】

1 戸籍謄本、婚姻証明書、出生証明書その他の当該外国人の身分関係を証する文書

2 本邦に居住する身元保証人の身元保証書

3 その他参考となるべき資料

4 顔写真

【在留資格取得許可申請、在留資格変更許可申請共通】

申請時、下記書類の提示が必要となります。

1 中長期在留者の場合…本人の旅券及び在留カード

2 中長期在留者以外の場合…本人の旅券又は在留資格証明書

 

3 資格外活動許可書

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代表者プロフィール

富樫 眞一
資格

2003年 技術士(環境部門)登録
2003年 薬学博士号登録

2019年 行政書士登録

2019年 入国管理局申請取次行政書士登録

2020年 特定行政書士登録

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