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退去強制令書の発布後に、あらためて在留特別許可を求める「再審情願」。入管法に規定された手続きではないものの、憲法上の権利として行われています。今回は再審情願が認められるケースやメリット・デメリット、注意すべき点などについて説明します。
再審情願とは、退去強制手続によって「退去強制令書」を発付された外国人が、なおも在留特別許可を希望する場合に行う手続きです。ここではその内容と根拠となる法律について説明します。
再審情願は、国による判断・処分の再考を求めるものです。これが認められると退去強制令書発付が撤回され、代わりに在留特別許可が与えられます。ただし情願をどのように扱うかは国の裁量に任されていて、実際に再審情願が認められるケースはあまり多くありません。
再審情願の根拠となるのは「日本国憲法」と「請願法」です。まず日本国憲法第16条には、次のように書かれています。
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令または規則の制定、廃止または改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 |
一般に日本国憲法は日本国民に対する規定ですが、第16条の「何人(なんびと)」には外国人も含まれます。つまり「退去強制」命令を受けた外国人には、それについて日本国に請願(情願)する権利があるというわけです。
次に、請願法第5条の規定を紹介します。
この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。 |
提出された請願は官公署(再審情願の場合は入管)によって受理されます。条文には「誠実に処理しなければならない」とありますが、これはあくまで官公署側の事務処理についての義務で、請願に対し何らかの応答や回答をするよう義務付けたものではありません。
非常にハードルの高い再審情願ですが、以下のようなケースでは認められやすいといわれています。
①取消訴訟や無効確認訴訟で勝訴する
退去強制令書の発付後、再審情願と並行して取消訴訟や無効確認訴訟を起こしている場合、裁判の結果が「勝訴」か「和解」であれば、再審情願が認められる可能性も高まります。
②処分後に事情が変化する(新たな事情が発覚する)
日本人との婚姻や日本人配偶者との間に子供が誕生するといった事情は、退去強制手続(在留特別許可の可否)に大きな影響を与えます。このため退去強制令書の発付後に婚姻が成立する、もしくは子供が誕生するといった「新たな事情が発生」した場合、再審情願が認められやすいといわれます。
もっとも退去強制令書の発付後に(再審情願狙いで)婚姻手続を開始したような場合は、再審情願が認められる可能性は低いでしょう。
③その他
その他、退去強制手続自体になんらかの瑕疵(ミス)があるような場合や、人道上、見過ごすことのできない特別な事情がある場合も再審情願が認められる可能性があります。
再審情願にはいくつかのメリットとデメリットが存在します。
①在留特別許可の可能性
最大のメリットは、退去強制令書が取り消されて「在留特別許可を得られる可能性がある」ことです。ただしこの可能性はそれほど高くありません。
②早期に上陸特別許可が得られる可能性
再審情願を通して日本人との婚姻や子の誕生などの事情が明らかになれば、仮にそのまま強制送還されても、早期に「上陸特別許可」が認められる可能性があります。ちなみに上陸特別許可とは、上陸拒否期間中(5年もしくは10年)に日本への入国を認める制度です。
③仮放免が認められる可能性
退去強制手続中の外国人は原則として入管の施設に収容されますが、特別な事情が認められる場合は条件付きで身柄を解放されます(仮放免)。再審情願で「特別な事情」が明らかになれば、仮放免の判断にも有利に働く可能性があるでしょう。
再審情願の最大のデメリットは「長期間拘束される可能性がある」ことです。再審情願中の外国人の取り扱いについて、入管法第52条第5項は次のように規定しています。
入国警備官は、第3項本文の場合において、退去強制を受ける者を直ちに本邦外に送還することができないときは、送還可能のときまで、その者を入国者収容所、収容場その他出入国在留管理庁長官又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができる。 |
再審請願中の外国人は在留特別許可が認められるか強制送還されるまで(原則として)入管の施設に収容されます。この期間は数か月〜数年程度で、長期間拘束された挙句そのまま強制送還されることも珍しくありません。
なお収容施設は茨城県の「東日本入国管理センター」、大阪府の「西日本入国管理センター」、長崎県の「大村入国管理センター」の3か所ですが、収容される施設は選べないため「どの施設に収容されるかわからない」のもデメリットです。
再審情願は入管法に規定されていないため、決まった手続きが存在しません。ただし、少なくとも(日本人との婚姻や子供の出産といった)再審情願の根拠となる資料は用意しておく必要があるでしょう。
再審情願を行う際は、以下の2点に注意が必要です。
再審情願をどのように扱うかは国の裁量です。すでに説明した通り、国には再審情願を行った外国人に応答したり回答したりする義務はありません。どのような根拠を提出しても国からの応答がなく、そのまま強制送還される可能性もあります。
再審情願は退去強制令書の発付後に行います。このため再審情願中は「いつ強制送還されてもおかしくない」状態です。再審情願を行う際はあらかじめ「退去強制令書発付処分取消請求訴訟」と「執行停止申立」を行って、強制送還の執行停止決定を受けておいた方が良いでしょう。
ここでは再審情願に関連する「よくある質問」を紹介します。
再審請願以外にも、退去強制令書発付処分に対する「取消訴訟」や「無効確認訴訟」などの行政訴訟を起こすことができます。再審情願と行政訴訟のどちらが良いか(あるいはどちらも行うか)は、専門家と相談して決めてください。
可能です。再審情願では外国人の家庭事情などが考慮されますが、こうした「特別な事情」は仮放免の判断にも有利に働く可能性があります。なお再審情願前に仮放免が不許可になっていても、再申請が可能です。
再審情願が入管法の手続きではないため、決まったフォームなどは存在しません。どのような書類(資料)を用意したら良いかわからない場合は、経験豊富な専門家に相談してください。
在留特別許可を希望する外国人にとって、再審情願は「貴重なチャンス」のひとつです。とはいえ、再審請願にはメリットだけでなくデメリットもあります。実際に再審請願を行うかどうかは、専門家の意見も聞きながら慎重に判断するようにしてください。
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