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「申請理由書」の重要性
【技術・人文知識・国際業務に係る在留資格認定証明申請書の添付書類としての「申請理由書」の重要性】
技術・人文知識・国際業務に係る在留資格認定証明申請書の添付書類に関して、法務省のHPに記載されている添付書類の中には、「申請理由書」の添付は義務付けられていない。しかし、申請者の許可該当性を積極的に証明するため、法務省のHPで規定されている添付書類を合理的かつ総合的に判断することによって、明確に、入管法に規定されている次に示す許可要件満足しているという論述をすることは、許可蓋然性を高めるために有効だと考えられます。
そこで、以下に、技術・人文知識・国際業務に係る在留資格認定証明申請の申請者が、申請許可をより高い確率で確保するための許可要件を示します。
在留資格の審査で重要視される3つの要素とは、次のとおりです。
Ⅰ 在留資格該当性
在留資格該当性とは、申請人である外国人が、今後従事予定の活動に関して、在留資格で許可されている活動に如何に該当しているかということです。
出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表(技術・人文知識・国際業務)によると、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」と規定されています。
明確に意識すべき第1のポイントは、「本邦の公私の機関との契約に基づいて」、適切な雇用契約が結ばれていることを明らかに指摘することです。
第2のポイントは、「属する」から、当該外国人が従事する業務がどのように理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野にぞくしているのかを示すことです。
第3のポイントは、「又は」から、該当の外国人が従事する業務が上の定義で指定されているような技術・知識が必要な業務か、外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務のどちらか一方を確実に満たしていることを示すことです。
2 上陸許可基準適合性
1の在留資格該当性は活動内容の適合性について観点から申請の許可蓋然性を検討したものでした。今回の2の上陸許可基準適合性とは、申請人である外国人が該当の活動に従事するに相応しい人物であるか、あるいはその活動をするに相応しい企業であるかどうかの適合性です。
「出入国管理及び難民認定法第一項第二号の基準を定める省令」によると、法別表表第一の二の表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動として、
「申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法第58条の2に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでありません。
一 申請人が自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、次のいずれかに該当し、これに必要な技術又は知識を修得していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、この限りでありません。
イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。 ロ 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了したこと。 ハ 10年以上の実務経験を有すること。
二 申請人が外国の文化に基礎を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。
イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。 ロ 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること、ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りではない。
三 日本人が従事する倍に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」としている。
論証に際して明確に明らかにすべきことは、赤字で示した内容です。 「申請人が次のいずれにも該当していること。」は、上記一、二、三の全てに該当していることを明らかにすることです。 「次のいずれかに該当し」は、申請外国人が、一のイ、ロ、ハのどれか一つの要件を満たしていること、つまり、業務に必要な知識・技術を有していることを示すことです。 「ただし~この限りではない。」は、IT技術者の資格を有している方については、一のイ、ロ、ハの要件を満たす必要はなく、資証明書を添付すえば良いのです。 「当該技術若しくは知識に関する科目を専攻して大学を卒業し、」は学士(Bachelor)以上で、かつ1の在留資格該当性で論じた内容に関する科目を専攻していたことを示します。 「又はこれと同等以上の教育」は、出入国管理局の解釈次第となります。 「本邦の専修学校の専門課程を修了」とは、「専門士」の学位を日本の学校から得ていることを示します。専修学校とは職業等に関する教育を行う教育施設全般を総合的に言い表しており、専門学校は専修学校の一種です。申請人の学校が該当するかどうかは文部科学省のパージの確認が必要です。 「10年以上の実務経験」は、この実務経験を論証する場合には前職の納税証明書等、実際に働いていたことを証明する書類を用いることが重要となってきます。 「次のいずれにも」は、外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を有する仕事の論証をする場合には二のイ、ロの両方とも満たすことを示しています。 「ただし~この限りではない」は、大卒の方が外国に基盤を有する思考又は感受性を有する仕事に従事する必要がないことを意味します。新卒の外国人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬」は給与に関して、会社で用いる給与テーブルや、日本人向けの求人票、統計データによる年齢、技能別相場を添付することが適当と考えられます。
3 相当性
相当性とは、既に日本に在留している外国人が日本に引続き在留する人物として法務大臣が適当と認めるに足りる「相当」の理由があるか否かということです。 「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(改正)」では、この「相当性」について、下記の5つの代表的指標が掲げられています。
ⅰ 素行が不良でないこと(素行善良要件) ⅱ 独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件) ⅲ 雇用・労働条件が適正であること ⅳ 納税義務を履行していること ⅴ 入管法に定める届出等の義務を履行していること
まず、「ⅰ 素行が不良でないこと」とは、「日常生活で法律を守っていること」です。具体的には、強制退去になるような刑事処分を受けている場合、不法就労を斡旋する行為をしている場合等は、素行が不良であると見なされます。
「ⅱ 独立生計を営むに足りる資産又は技能、学歴を有すること」とは、収入等から、今後安定した生活ができると見込まれることです。当該外国人だけでなく、世帯(家族)全体の収入が判断の基準となります。近い将来、生活保護に陥り、日本政府の負担になりそうであれば、「独立生計を営むに足りる資産がない」と判断されます。ただし、在留を認めるべき「人道上の理由がある」場合には、入国管理局がその理由を審査し、判断します。たとえば、日本に入国当初は、バリバリはたらいていたが、その後、体を壊し、現在、生活保護を受けているような場合です。
「ⅲ 雇用・労働条件が適正であること」とは、日本で働いている外国人が、アルバイトを含めて、「労働」に関する法律に違反していないことです。これまでの職歴で違法な時間外労働に従事してきた場合には、その違反が外国人本人の意思によるものでなく、勤めていた会社に強制された旨等を正しく論証することが重要となります。
「ⅳ 納税義務を履行していること」とは、税金を納めるのは、「日本の利益」となるので特に重要です。「高額の未納」や「長期間の未納」、「納税をしなかったことで刑罰を受けた」というようなときは、「納税義務を履行していない」ことになります。仮に、年金や保険で未払いがある場合には、免除申請をするか、最悪の場合、過去に遡って全部支払いをする必要があります。健康保険の支払いは在留外国人にも支払いが義務付けられていますが、「自分は保険を利用しないために支払わない」という言い分は民主主義社会の日本では通用しません。
「ⅴ 入管法に定める届出等の義務を履行していること」に関しては、「中長期在留」する外国人は、「引越等で、在留カードの記載変更が必要な場合」、「離婚した場合」等は、入国管理局に届出をしなければなりません。この「届出」をしてええいない場合には、届出義務の不履行になってしまいますので、申請前に事前に届出をする必要があります。
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2003年 技術士(環境部門)登録
2003年 薬学博士号登録
2019年 行政書士登録
2019年 入国管理局申請取次行政書士登録
2020年 特定行政書士登録
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