ワーキングホリデー制度とは、2つの国や地域の間で取り決められる制度です。

相手国(地域)の青少年が自国(地域)の文化やライフスタイルを学び、経験する機会を与えるために設けられました。

そのため、一定期間の休暇と就学・就労を認める制度でもあります。

通常は旅行や留学と同時に就労することは認められませんが、ワーキングホリデーであれば旅行や勉強をしながら現地で働けます。

日本から出国する場合に、この制度が適用されるのは、日本国籍を有する18歳から30歳までの方です。

行き先は、世界中のどこへでも行けるというわけではなく、現在日本と取り決めを交わしている26の国と地域に限定されています。

アメリカ合衆国は留学先として人気ですが、ワーキングホリデーの協定国ではありません。

ワーキングホリデーを利用して英語を学びたい方には、オーストリアやカナダが人気です。

ほかにもフランス・ドイツ・台湾・デンマークなど、さまざまな国や地域が対象となっているので、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

先述しましたが、ワーキングホリデーが人気を集める最大の理由は、就労が認められる点です。

通常、長期間の滞在には多額の費用がかかります。

しかし、ワーキングホリデーでは収入を得ながら滞在ができるので、事前に費用の全額を用意する必要がありません。

現地の企業で有給インターンシップに参加することで、より本格的に働きながら経験を積むこともできます。

滞在スタイルを選べる点も魅力的です。

ホームステイであれば現地の文化や習慣に触れながら生活できますし、日常的な会話のなかで語学力を鍛えることも可能です。

留学目的であれば学生寮という選択肢もあります。

学生寮では、世界各国の学生とつながるチャンスがあるので、より充実したキャンパスライフを過ごせます。

自分のペースで滞在したい方は、自ら部屋を探して借りてみるのもよいでしょう。

外国で自分の力だけで生活していくのは大変ですが、責任感をもって行動するきっかけになりますし、社会勉強にもなります。

ワーキングホリデー制度を利用すれば現地での就労が可能なので、準備費用が安く済むのは確かですが、国や地域によって滞在に必要な費用も異なるので注意しましょう。

事前に滞在プランをたてて費用の見積もりをしておくと安心できます。

また、国や地域ごとに滞在可能期間が定められているので、確認する必要があります。

加えて、ビザ取得の難しさや就労・就学期間の制限などが設けられている場合もあるので注意しましょう。

自由度の高さが魅力のワーキングホリデーですが、一方で何もせずに滞在期間が終わってしまったという方も少なくありません。

具体的な目標を設定し、何を身につけたいのか、何がしたいのかをあらかじめ考えておくことが大切です。

そうすることで、ただの旅行ではなく、かけがえのない経験としてワーキングホリデーの滞在期間を過ごせるでしょう。