外国人が日本で働くために必要となる就労ビザの中に、技人国ビザがあります。

エンジニアなどの技術職、企画・営業・広報などの事務職、通訳や翻訳といった業務に従事するためには、この技人国ビザの取得が必須です。

就労ビザを取得する外国人の70～80％がこの技人国を取得しており、もっともポピュラーな就労ビザと言えるでしょう。

就労ビザの取得条件はビザによってさまざまで、学歴を必要としないものもありますが、技人国ビザでは学歴が取得要件の1つです。

そのため、技人国ビザを学歴ビザと呼ぶこともあります。

クリアするべき学歴要件は次のとおりです。

・日本の教育機関を卒業した外国人

（1）大学を卒業していること

留学などで日本の教育機関を卒業している外国人の場合、基本的には大学を卒業している必要があります。

ここで言う大学とは4年制大学のほか、大学院や短期大学も含まれます。

（2）大学卒業と同等以上の教育機関を卒業していること

大学卒業と同等以上の教育機関を卒業している場合も同様に学歴要件を満たします。

大学卒業と同等以上の教育機関とは航空大学校や防衛大学校、看護大学校、高等専門学校などのことです。

（3）専門学校を卒業していること

専門学校を卒業した場合も原則的には取得が可能ですが、大学などを卒業している外国人に比べると審査が厳しいです。

外国人の中には本国の高校を卒業後に日本へ来て日本語学校を卒業したという人もいるでしょうが、日本語学校を卒業しただけでは技人国ビザは取得できません。

・外国の教育機関を卒業した外国人

外国の学校に通っていた外国人について、基本的には上記の要件（1）と（2）が技人国ビザ取得の要件です。

（3）についてですが、専門学校のカリキュラムは国によって内容に大きな差があるため、海外の専門学校卒業では条件に満たない可能性があります。

大学を卒業していれば誰でも技人国ビザを取得できるのかと言えば、そうではありません。

ビザ取得には審査があり、大学などで学んだ内容と就職先の企業の業務内容がマッチしない場合は、審査に落ちてしまうこともあります。

たとえば、大学では社会学を学んでいた学生が、IT企業にプログラマーとして就職するためにビザの申請を行ったケースなどです。

技人国ビザには技術・人文知識・国際業務と3つのカテゴリーがありますが、それぞれに学んできたことと就職先の業務がマッチしていなければなりません。

これまで説明してきたように、技人国ビザの取得には基本的に学歴が必要ですが、一部例外もあります。

技術と人文知識のカテゴリーにおいては10年以上、国際業務においては3年以上にわたって従事しようとする業務に関連する業務の実務経験がある場合は学歴が問われません。

この10年、もしくは3年という期間の中には大学や高校、専修学校などで該当の科目を専攻した期間も含みます。